18 決意のバレンタイン

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二人がシミュレーション同棲を始めてから、大祐も自分の役割だけでなく、 出来る家事は積極的にやってきたつもりだ。 それに、真友子が新たなプロジェクトに就いてからは、さらに積極的に家事をするようにしてきた。 だが振り返ってみると、真友子が寝に帰って来るくらいに忙しくなって からも、この部屋が散らかったという記憶は一度もない。 それどころか大祐の役割たる洗濯物だって、数日できなければ量は嵩むが、 だらしなく山積みになっていたという印象は一度もない。 しかし、散らかした憶えもない代わりに、大祐がこまめに部屋を片付けた 記憶もない。 つまりそれは、恐らく真友子が、さり気なく片付けたり整えたりをしてくれていたからではなかろうか。 まったく僕は、どこまで間抜けなんだろう。 痛む胸に己への情けなさが広がるが、そんなものに沈んでいても仕方がない。 だから大祐は、とにかく手始めに水回りの掃除を始めた。
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