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しかし、直ぐにそれを微笑みに変えた彼女は、笑みを広げて明るく言う。
「プレゼンが無事に終わって、結果は明日じゃないと出ないから、
今日は、みんなで早帰りするようにって課長が言ってくれてね。
久しぶりに、ちゃんとした食事をしようと思って色々買ってきたから。
良かった、大ちゃんも帰ってきてくれて」
そう言って大祐に背を向け、キッチンに入って行く真友子を追うように、
大祐もソファから立ち上がる。
そして、キッチンの入口で声を掛けようとするが、どうにも上手い謝罪の言葉が浮かばず、大祐はとにかく詫びを口にした。
「あのさ、まぁゆ。なんか、色々ごめんね」
しかし彼女は、大祐に背中を向けたまま、黙ってかぶりを振ってきた。
だが大祐には、彼女が怒っているのか、困っているのか、戸惑っているのか
分からない。
それでも何か言葉を繋がなければと、大祐は再び口を開いた。
「僕さ、実はあの日……」
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