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しかし、見返された大祐のほうは、バツの悪さは否めない。
それで苦笑に顔を歪めると、当然の事が投げかけられた。
「なんで? って、誰に?」
うん……。
小さく口ごもった大祐は、それでも、おずおずと数日前の出来事を
話しだした。
「それで、サンプル材料も買い終えて駅に向かってる時に、
偶然まぁゆを見かけてさ」
しかし、この話を聞いた真友子の顔には、困惑と混乱がはっきりと浮かんだ。
「じゃあ桐……、あの日に一緒に歩いていた同僚に妬いちゃったの?」
「平日の昼間だし、仕事だっていうのは分かってたんだ。
けど……、この頃ずっと疲れた顔しか見てなかったのに、あの時のまぁゆ
すごく輝いて、すごくきれいで……。
なんていうか、僕と一緒だとあんな笑顔になんないんだなっていうか、
その……」
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