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カイネは暫く直立不動を守るが、隣で笑い転げるリンネにつられ頬を緩めたのを切っ掛けにカイネもリンネの隣で笑いだした。
二人の笑い声が廊下まで響く。
その声が階段を降りようとする母の元へと届く。
「二人共!!寝る用意!!」
母親の一喝する声に二人の笑い声はぴたりっと止まった。
二人は笑い声が漏れないようにお互いの口元を押さえる。
今度は二人してくすくすっと小さな笑い声を零しながら寝巻きを引っ張りだした。
二人でどちらが早く着替えられるか競い合う。
勝者はカイネ。
ボタンを一つ掛け違っているが、そんな事は気にしない。
寝巻きに着替えると、部屋の扉を僅かに開け母親の姿がないか確かめる。
しっかりと確認すれば、二人は顔を見合わせ扉から飛び出した。
二人で手を繋いで目的地に駆ける。
下の階へ響く二人の足音を聞き、盛大な溜息を吐きながら呆れた顔をしている母の姿を二人は知る由もない。
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