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先生は俺に四肢を絡みつけ、もう離れたくないと耳元で囁いた。
俺も深く繋がりたくてさらに押し込むと、二人の秘密の部分がぴたりと張り付いた。
先生が体を揺らすと強く擦れてひりひりと痛んだ。
それでもまだ足りない。
このままもつれあって、ほどけなくなればいいのに。
お互いに何度も果てて、ついには動けなくなるとただ抱きあっていた。
先生は、ぼんやりと俺を見つめている。
この人が好きだ。
どうしても離せなかった。
優しさに甘えて、自分の災いに巻き込んでしまった。
「先生、今後も俺の周囲が迷惑をかけることになると思う。
無心にだって来るかもしれない」
「二人一緒なら大丈夫です。
けど、ずっと衝突を待って繰り返すしかないんでしょうか」
先生は少し考えたあと、突然立ち上がると部屋を出て一番奥の扉を開けた。
俺が先生の自宅にお邪魔するときは寝室に通されることが多くて、その部屋を見るのは初めてだった。
中には、壁沿いに本棚が並べられ、本がぎっしりと詰められている。
窓には濃い緑色のカーテンがひかれていて、真っ暗だ。
先生がカーテンを開けて窓から風を通す。
光が差し込み、中の湿った空気が少しずつ浄化されていく。
「祖父が使っていた部屋です」
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