甘くて苦いセックス

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先生は逃げなかった。 けど、受け入れるという感じでもなかった。 無反応。 ただそれだけだった。 先生が微動だにしないのをいいことに、俺は先生をゆっくりと味わい始めた。 先生の唇はしっとりと湿っていて柔らかく、チョコレートの香りがした。 ずっと食べていたい気もするが、先に進むために仕方なく唇から下の方へ、先生の首筋を伝って舌を降ろしていく。 白い肌はどこも滑らかな舌触りで、時々小さく震える場所がある。 「先生、ここ感じるんだ?」 自然と反応して隠れて息を呑む先生がたまらなくて、もっと乱れさせたくなる。 胸の突起を舌で転がすと、先生はびくっと背中を反り返らせた。 俺は先生が床に倒れないように背中へ腕を伸ばし、そのまま背後に回って抱きしめた。 「ベッドに上がって、先生」 俺が耳元で囁いても先生は動こうとしない。 それならと俺は首筋を舐めながら左手を先生のズボンの中に進入させていった。 すでに反応し始めていた先生の証は、ゆるゆると触るだけでどんどんと張りつめてくる。 先生の頬は赤く染まって、苦しそうに短く息をしている。 「後ろもいくよ」 右手の人差し指を差し込む。 入り口はしっとりと濡れていて、するりと迎え入れてくれた。 一方で、中は俺をくわ込みたそうに強く締め付けてくる。 ここまで来ても先生は何も言わない。 迷いながらも俺はもう止めることなんてできず、ただ先生の体が反応していることだけを頼りに進んでいく。 指を前後させて、中指も挿入した瞬間、先生はベッドの頭の柵に両手をついた。 先生がガクンと伏せた瞬間、先生の香りが鼻をかすめた。 甘い。 「先生、俺もう我慢できない」 俺は右手を先生から抜き取りながらズボンを脱がすと一思いに先生を貫いた。 「っ!」 奥まで入った瞬間、先生はびくびくっと震えながら息を呑んだ。 声を圧し殺して喘ぎ声をあげないように耐えているようだ。 隠されるとどうしても聞きたくなってしまう。 先生は俺にどんな声を上げるんだろう。 激しく腰を動かして先生を突き上げる。 前もずっと握ったまま刺激を与え続ける。 「………っ、……… !」 先生は枕に顔を埋めて口をふさいでいる。 俺を締めつける力はどんどんきつくなっていて、前だって今にも果てそうだ。 こんなに甘く反応しているのに、すべては見せてくれなくてもどかしい。 俺は顔が見たくてよつん這いの先生を右手だけで抱き起こしてこちらを向かせた。 先生は、感じながら今にも泣きそうな顔をしていた。 快感と闘っているようだった。 「俺、先生に気持ちよくなってほしい」 反応が激しいところをこすりあげると、さらに締め付けが強くなった。 そして、頑なに口を閉ざしていた先生が、ようやくか細い声で囁いた。 「出して」 せつない先生の表情を見た瞬間、俺の下半身は一気に熱くなり、先生のもっと奥深くに入りたくて夢中で体を動かした。 先生が早く終わらせたかったのか、俺を求めてくれたのかも分からないまま、俺は限界を迎えた。 ただ左手には、俺と同時に先生の熱が放たれた感触が強く伝わっていた。
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