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B「わあ、どうしたんだよその大きなパン」
A「ふふ、ヴェルメールさんにお願いして作ってもらったの。だってほら、明日は私たちの誕生日じゃない」
B「プレゼントを自分から強請ったの?」
A「先にお祝いさせてって言ったのはあっちよ」
B「最近小麦の値段が高騰したせいで店の経営が火の車って嘆いてたのに」
A「ならもう心配いらないわ。私がこのパンを美味しそうに食べる姿を見た人たちで明日の店は大繁盛だから」
B「ケチャップと油まみれの顔を見て?大炎上の間違いだろ?」
A「私の弟のくせに全然可愛くない」
B「僕の姉なのに全く品がない」
A「そういやあんた、明日の誕生会にはちゃんとマリアを誘ったんでしょうね?」
B「…う、それは」
A「意気地なし。そんなことだろうと思ってたわ」
B「ち、ちが…!ちょっと話しかけるタイミングがなかっただけで…」
A「3ヶ月も前から誘うと決めてたのに?それが本当ならあんた避けられてるわよ」
B「…くぅ」
A「そんな哀れな弟に私からいいニュースと悪いニュースがあるの。どっちから聞きたい?」
B「悪いニュース」
A「明日の誕生会にマリアを誘ったわ。返事はイエス」
B「……え、うそ…ほんと?真実ならこれが悪いニュースなもんか…うぅ、神さま…、今日は僕の人生で1番幸せな日だ」
A「ボーイフレンドと一緒に来るそうよ」
B「くそったれ!神なんていない!」
A「まあ落ち着きな弟。まだいいニュースが残ってるわ」
B「…なんだよ。言っとくけど今の僕はちょっとやそっとのことじゃ喜ばないからな」
A「私の友達にメアリーっているでしょ?その子も明日の誕生会に来てくれるんだけど」
B「ああ、あの赤毛の」
A「メアリーがね、あんたに手編みのマフラーをプレゼントするって言ってたわ」
B「手編みのマフラー」
A「それも私の身長くらいあるなっがいマフラー」
B「長い手編みのマフラー」
A「メアリーを誕生会に招待したのが1週間くらい前だから、それより前にはもう編み始めていたはずよ。…この意味がわからないような愚弟ではないわね?」
B「…もちろん」
A「ならあんたが今からしなきゃいけないことは何?」
B「メアリーにイカしたお礼を考えることと、宇宙一素敵な姉君にとびきり甘いスウィーツを用意するよ」
A「最高の弟ね!」
B「それじゃあ明日は最高の日にしよう!」
A「お互いにね」
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