初めての出会い

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初めての出会い

ぼくには、まだ名前がない。 因みに、ぼくはミニチュアダックスという犬種らしい。 ぼくが居る場所は窮屈なゲージの中。 ぼくは、産まれてすぐ親から引き離され未知の世界へ連れてこられた。 ぼくだけじゃない。 ぼくは、3番子。 1番上に、お姉ちゃん。 2番上に、お兄ちゃんがいる。 ぼくたちは、沢山の知らない人に囲まれて不安を抱えたまま、うずくまっていた。 そんなある日、ぼくは『ご主人』と出会う。 ご主人は、震えながら怯えていた、ぼくを優しく包みこむように抱き締めてくれる。 キラキラと輝き、まんまるとした目で『君に決めた』っと良い、ぼくを篭の中から救出してくれた。 これが、ぼくと、ご主人との出会い。 お姉ちゃんも、お兄ちゃんも幸せな家庭に引き取られた。 第2章(初めの1歩) ご主人とともに、ぼくは新天地を目指すことになる。 今まで、外がどんな所なのか未体験のぼくには想像もつかないような世界が待っているのだ。 ご主人に抱き抱えられ、ぼくより大きな扉が開いた。 ご主人は、ぼくを地上に降ろすと嬉しさと不安が入り交じりながらも、ぼくは初めての1歩を踏んだ。 それは、まるで人生の大冒険の始 まりのような景色だった。
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