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第11章(名前)
さて、続きを話そう。
引きこもりがちになった私のせいで母と会話すらなくなっていた。
だけど、君が来てくれてから母も私も話したり、笑い合うようになっていた。
家の窓から見ていた外景も、散歩をすると違う景色に見えて新鮮だった。
きっと君が居るからだろう。
初めて家に来たとき、眠そうな瞼をパチリパチリさせアクビをした姿は、私や母を和ませたね。
私は、そんな何気ない景色さえも今まで見る事が出来なかったんだ。
いや、自分が弱くて変えようとしなかった、拒んでただけかもしれない。
だから、迷わずこう言うよ。
『これから君の名前は、ラッキー!私達に奇跡を与えてくれた素敵な家族!宜しくね』
そう伝えるとラッキーは、つぶらな瞳で見つめクシュンとくしゃみをした。
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