7人が本棚に入れています
本棚に追加
第9章(迷子大騒動)
ぼくの名前は、ラッキー。
ぼくがまだ、3歳の時だ。
季節は、真冬の夜で、その日は猛吹雪だった。
ぼくは、いつものように主人と散歩に出かけた。
ぼくは、身体が小さいながらも毎日の散歩が楽しみで、はしゃいでいた。
そんな時、やんちゃだった、ぼくは主人が引くリードを引っ張り脱走してしまった。
主人が、ぼくの名前を呼ぶけど吹雪の音で掻き消されてしまい聞こえなかった。
ぼくは、雪遊びに夢中になり気づくと見知らぬ場所にいた。
主人の姿を探すけれど、どこを探しても見当たらなかった。
次第に寒さで震えていた所を親切な見知らぬ、おばあちゃんが救ってくれたんだ。
おばあちゃんは、濡れて冷たくなった、ぼくの身体をタオルで拭いてくれて、暖かな暖炉の前で温めてくれた。
その日は、おばあちゃん家に泊めてもらった。
もう主人に会う事が出来ないと、とても悲しい気持ちになった。
翌日おばあちゃんは、知りあいに声をかけ続けてくれた、おかげで主人の元へ帰る事が出来た。
ぼくは主人に叱られると思った。
だけど主人は、ぼくを抱き締め『おかえり!そして帰ってきてくれてありがとう』って言ってくれた。
主人の目の下のくまを見て、必死に、ぼくを探してくれたんだと分かった。
ぼくは、主人に酷い事をしてしまった。
ごめんね。心配かけて。
そしてぼくは、思った。
『ああ、やっぱり主人が大好きだ』って。
最初のコメントを投稿しよう!