nilrem

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 実際に西洋と東洋では龍の解釈は大きく違う。大体西洋では龍は神と敵対する側として考えられることが多い。しかし、東洋思想では龍は神の使いであったり、神そのものであったりもする。事実日本には龍神をまつる神社が数多く存在する。 「今って、日本にはどれくらい龍とか龍神とか言われる存在がいるのかな?」 「え、うーん、凄く沢山いるよ。どの山にも、川にも、神社にも、この店にも小さな商売繁盛の龍がいるよ。入り口のすぐ左横で微笑んでるみたい。」 「あー、それで、僕も左手がなんだか熱くなってなのか。あ、僕はそういうの感じると左手が熱くなったり、冷たくなったり、震えたりするんだよね。」 「で、私に会いに来たのはどうしてなの。」 「ああ、実は、信じてもらえないと思うけど、千歳にある半導体の工場を壊滅させて欲しいんだよね。誰も怪我させないで、殺さないでさ。」  理沙はまじまじとニルレムを見た。工場の破壊ってテロ行為以外のなにものでもないと思っているし、加担もしたくなければ、その劇の主役など願い下げだ。 「それね、やっておくと、人類が人類でいられる期間が二年くらいのびるの。」 「えーと、話が全然見えないんだけど。」 「そうだな。一言でいうと、そこの工場は世界で唯一、悪魔の脳みそに当たる部品をつくっているんだ。二ミリくらいの大きさだけど。そこでしか作れないの。それで、それを作るための生産ラインを龍神様に跡形もなく消し去ってもらいたいんだよね。中の人員は僕が外に追い出すから。」 「・・・・・・・・馬鹿なの?」 「いや大真面目だよ。理沙ちゃんがやっても、それ、証拠も残らないし、誰にも原因が特定できないでしょう。僕がやれば大きな魔方陣描かなくてはならないし、他に今のところそんな力のある人を知らないので。」
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