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けれどもそれは気が合って、良く話をするようになって、一緒に出かけるようになって、いつのまにか二人でいることが当たり前になって、というような段階を踏むもののはずだ。
会社の人たちと大人数でなら、一泊二日の温泉旅行をしたことはある。あとは、郵便物を取りに行く際に顔が合えば挨拶程度に話をするとか、千晃との付き合いはそのくらいだったはずだ。もちろんその内容だって特別なものじゃない。
(もしかして、休みの日に一緒に買い物にいくっていうのが、森住さんにとって付き合うっていう意味だった……なんてことはないよね? それとも、買い物つきあって、じゃなくて、買い物の話とつきあう話は別だった?)
有紗が頭を悩ませていると、「ありさちゃん、こっちだよ」と、いつのまにかすぐ側まで来ていた心暖が、脚に巻き付いてきた。
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