【act5】ひとつになれば

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 これがRenの言っていた相性なのだろうか。 有紗は千晃に触れながら、神長の手のひらの感覚を懸命に思い出そうとしていた。 (今日は何してるんだろう。昨日買った重慶飯店の鳳梨酥はもう食べたかな)  想像すると、自然と顔が綻んだ。 「どうした? なんかほんとうに変だよ」  その横顔を見ていたのか、千晃の目が優しくなる。きっと千晃は今日こうやって三人で会えたことを嬉しく感じ、相手も同じ気持ちでいると信じているのだ。罪悪感がないといえば嘘になる。  急になにかがふくらはぎのあたりを触れて、有紗は椅子の下を見た。どこから這ってきたのか、園児というにも幼すぎる男の子を見つけた。 「すみません」  すぐに横から母親が姿を現して、男の子を抱き上げてあわただしく映像室の外に出て行く。 (もし心暖ちゃんがおとなしくできなくなったら、やっぱりわたしがああやって外に連れて行くのかな?)
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