真一の秘密(2)

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真一の秘密(2)

 真一は手を引かれ、何が何だか分からない。いっその事、あの能力を使うか。いや、やめておこう、そう思い。  急ぎ足で階段を上り。  屋上に着いた、この2人。  繋がれた手は解かれ。  木村は辺りを見渡し。何かを迷っているような表情を見せ。突然訳の分からないことを言い始めた。 「ねぇ、香取君……。今日はいい天気ね」  どこがいい天気なのか、とツコミを入れた方が良いのか。辺りは、どんより雲。雪がちらつき始め。寒い。  その時、真一は思ってもみないことを聞く。 「……香取君、お願い。あなたの能力を私に貸して! お願いします!」、深々と頭を下げている。 「ちょっと何!? いきなり……」  辺りを見渡す真一。(よかった誰もいない) 「木村さん。頭を上げてください!」  木村は頭を下げたまま。  辺りを見渡す真一。 「……分かりましたから、頭を上げてください」  木村は頭を上げた、その目は何処か悲しげな目をしていた。  その時。  真一の能力が勝手に反応し。思わず口にでてしまった。 「そうか、アメリカに行きたいのか」  その言葉に驚いた木村。 「えっ!? なんでその事を知ってるの!?」  真一は思わずとぼけようとするが、この状況では無理だ。しまった油断した。あの目には嘘はつけない。この人は真っ直な人、裏表のない人。  その時。  この2人、こんな状況でもお腹の虫が鳴り。思わず笑みがこぼれ。  真一は何も言わず、木村の右手を掴み。 「目を瞑って!」  素直に目を瞑る木村。  その瞬間、2人はここから消えた。
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