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【第2話】俺って・・
2月3日金曜日。
例の合コンの日を迎えた。
俺はそそくさとデスク周りを片付けて、今夜こそは!と密かに気合を入れていた。
「お疲れ様です。」
そこへ マキさんがやってきた。
いつものように床を掃いて、俺のゴミ箱の中身を集めていく。
「ありがとうございます。」
お礼を言うと、マキさんはこんなことを言った。
「あの 何か忘れていませんか?」
と。
「えっ。
ああ、ゴミはここにある分だけですが・・」と俺は答えた。
「そうですか。」
なぜか寂しそうに マキさんは呟いて隣のデスクのゴミ集めに行ってしまった。
なんだ、なんだ?
まさか今夜俺が合コンに行くって知ってて、私のこと忘れていませんか?的な嫉妬?
って
そんな仲でもないか。俺はいつも妙な妄想が先立って結局何も起こらない人生を歩んでいる。
だが、実は気になっている マキさん。出会ってまだ3日なのに、俺は毎日密かに彼女のゴミ集めタイムが楽しみだったりする。
何か忘れていませんか?なんて
気になっちまうだろ~が
何か始まらないかな・・とウジウジしている俺にシンジが近づいてきた。
「健太!今日はかわいい女の子3人揃ってるらしいぞ!」
俺は慌てた。周囲をパッと見回した。
マキさんはもう近くにいなかった。
なんとなく今日合コンにいくことを、彼女に知られたくない、なんて
俺ってマキさんに惚れてしまってるのだろうか?
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