北海道

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また麻雀の音で目をさました。 毎日のようにジャラジャラ飽きないのか。 時計を見ると13時、そろそろ起きないと。 北海道に来て3ヶ月が経っていた。僕は色々あって社長の麻雀部屋に住ませてもらってる。 出勤までの時間は麻雀をしてる社長とその友人の相手をしなければいけない。 最初は怖かったがすぐになれてしまった。 社長と友人の飲みたいものやタバコをすぐに用意できるようになった。 15時頃までは相手をする。 仕事はいわゆる女の子とお酒を飲む店の副店長。 準備をして16時頃には店につくようにする。 店は歩いて10分かからないくらい。初めての夜職で生活のリズムがどんどん崩れていった。 北海道はホントに寒い。10分歩くだけで耳や指先真っ赤で感覚がなくなる。 店に着くともう支配人がレジ周りで仕事をしている。軽く挨拶を交わして僕も仕事を始める。 掃除機でフロア内を綺麗にし、おしぼりを巻く。 チャーム(お通し)を作りパーティーのお客様に備える。予約表を再確認してボトルの準備をする。 実は今では考えられないくらいお酒が苦手だった。 この仕事をしてなければお酒を飲むようにはならなかっただろう。 準備が終わると開店に備えてちょっと早めの晩御飯を食べに行く。この時はまっていたのは北海道にしかないのかな?カレーと餃子のお店。安くて美味しい。あとは牛丼屋ばっかり。 急いで食べてすぐに店に戻る。 戻って、スタッフとお喋りしてると女の子たちが次々と出勤してくる。女の子たちの名前はすぐに覚えれた。優しい人も意地悪な人もいた。タイムカードを押すのも仕事。何回か間違えて怒られた。 お店の営業時間は19時~24時。お店はニュークラ(北海道ではキャバクラのことをニュークラと言う)ではなく座って20000円はする高級ラウンジだった。営業中の仕事内容はまた後ほど。 最後のお客様が帰るとまたスタッフて同士で少しお喋りして、サーバーに残ったビールと余ったチャームで毎日のようにプチ宴会。すごく楽しかった。いろんな事を忘れられた。 終わると店を閉めて支配人と売上を夜間金庫に預けて仕事は終わり。また麻雀部屋に帰って眠るだけ。この生活が続いていた。いつまでもこんな生活は駄目だと思い始めていた。
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