富士の樹海は不自由かい?

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木 + 林 + 森 → 森 林(キキキ リン) ※内容とあまり関係ありません ※そして既出のネタだと思います ――――――――――――――――――――――――――――――――  日生(ひなせ)家のゆかいな仲間たちの紹介コーナーだ。  まずは親父。  五十にしてほとんどまともに働いたことがなく、平日は株でわずかな生活保護費を減らし、土日はパチンコ競馬競艇競輪でさらに減らす、典型的なダメ人間。  続いてお袋。  四十にしてこれまたろくに就労経験がなく、見た目は普通にオバサンだが、頭のなかは実年齢の半分以下で天然。いい歳してネトゲ廃人。  親だけでもすでにろくでもないが、その子供もまたひどい。うちひとりはまあ俺なんだが。  後半へ続く(某○子ふうに)  *  森は暗く、果てしなく広かった。  木の葉の天井で光は遮られ、曇り空だったこともあって、周囲は夕方遅くのようだ。本当に夕方なのかどうかもわからない。スマホがあれば時間も位置もわかるのに。  走れるだけ走ったあとは、当てもなくひたすら歩き続けた。行けども行けどもあるのは木と木と木。同じ景色が延々と続く。もしかしたら、本当に同じ場所をぐるぐる回っているのかもしれない。で、ゴブリンたちとまた鉢合わせ――  やめてくれ。さっきのアイテムはもうない。そうでなくても、森なんてモンスターとのエンカウント率が高い地形だろ。いつ遭遇するかわからない。どうせ話にならないほど強い奴が出てくるに決まってる。大量の犬といい、高レベルのゴブリンといい、これがゲームならバランス調整めちゃくちゃだ。ベータ版どころかアルファ版としてもありえない。運営は土下座して緊急アップデートしろ。詫び石配れ。あと勇者の俺にはボーナスで聖剣よこせ。まがいものじゃないちゃんとしたやつ。  うつむきがちにぶつぶつ愚痴っていた俺は、ゆく手にそいつがいることに気づくのが遅れた。  ひどく低い、地響きのようなうなり声に、はっと前方を凝視する。
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