【快報】第3使徒・プレアはついに悟リの領域に

28/36
29人が本棚に入れています
本棚に追加
/151ページ
エロ漫画で飲食物が出てきたらほぼ100%の確率でなんらかの薬が盛られている法則 ―――――――――――――――――――――――――――――――― 「おごぁっ!?」  ブタとゴリラをかけあわせてオークに産ませたような、見られたものじゃない顔が、より悪化して真横を向いた。ひゃあ、と俺たちを囲む見物人の声が一瞬あがり、すぐに沈黙した。  がらん、と長い棒がデカブツのわきに転がる。  ぐぐぐとオーキンはゆっくり振り向き、たれる鼻血もぬぐわず、ひどく低い声で言った。「なにしやがる」  びくり震えあがるも、得物をほうって丸腰になった悟空は、サル顔をさらにしわくちゃにして、ひひ、といびつに笑う。 「すいやせん、親分。なにやらオラ、そのコにイカレちまったのか手もとがすべってしまいやして」  あ、一人称、やっぱりオラなんだ、とどうでもいいことを考えつつ、頭んなかまで染まっているであろうその帯びたピンク色で察する。そうか、魅了(テンプテーション)はオーキンじゃなくて手下にかけたのか。  もうひとり、特徴なしのモブいモブタも、ソアラが放ったのと同じ淡い色の光に染まり、リーダーに刃を向ける。「親ビンだけいつもいつもズルいっスよ」  親ビンて。だから昭和かよおまえら。  オーク親ビンは、てめえら、と存分に凄みをきかせてのそり立ち上がる。怒りの矛先を向けられていないのに漏らしそうな迫力だ。前のほうにいた女たちが、ひぎぃっ、とエロ漫画でしか見ないような悲鳴をあげた。  オービンから解放されたソアラは跳ね起きすばやく距離をとる。  これで三対一。だが、悟空・モブタはオービンにたちうちできるレベルじゃない。敵として妨害されないだけまし程度。あいつらにボスの足止めをさせといて女の子(ロリ)を連れて逃げ――そういえばどこだ、あの子。
/151ページ

最初のコメントを投稿しよう!