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セルフバーニングでハートがワーニング クレイジーな自慰 マジでマジぃ オゥイェアー
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「はあっ……はあっ……」
官吏から逃げおおせた街角で、膝に手をつきぜえぜえと肩で息をする俺は「まったく、話のわからん奴どもだ、これだから未開世界の人間は」と悪態をついた。ちょっと呼吸困難で、実際は声とか出なかったけど。
まあ、一介の役人の追跡なんぞ、あの執拗なゴブリンから逃げきった俺様の敵じゃあなかったがな。赤子の手をひねるように余裕でまいてやったぜ。
なにしろ、日課の運動でシコってる俺は、心臓と膝が躍っちまうのも慣れてるからな。これまで何度テクノブレイクの危機をかいくぐってきたことか。
破裂しそうな動悸息切れを、くぐり抜けてきたテクノ(ブレイク)のラップ変換でごまかし、しのぐ。
セルフバーニングでハートがワーニング
クレイジーな自慰 マジでマジぃ
ベストなバストのイラストでブースト
ハートはバクバク 爆発 バースト
白濁 吐く膿 ドクドク
膿出すとデスとかマジダスト
そんなラストなんてワースト
自爆で死すと地縛ゴースト オゥイェアー
――うん?
バカと変態丸出しの脳内ラップで息を整えていると、また、さっきからの違和感、引っかかりがあった。
明らかになにかを連想しそうなんだが、どうしても出てこない。喉もとまで出かかってるんだが。なんだろう、気持ち悪いな、こういうの。
にしても俺の真っ白透け透けたち、全然出現しなかったな。明晰夢的にしろ異世界的にしろ、本来なら当然に、俺の性癖丸出しの願望がバカみたいにたやすくかなうはずなんだが、おかしいな。 もしかして:現実
ま、まあ、もう少し様子を見てみよう。まだあわてるような時間じゃない。
買い物やらISE参りやらヒロインの召喚やらに時間を費やしていると、いつの間にか街は暮れはじめていた。
通りを行き交う人たちの足並も急ぎがちに見えた。気の早い店は、軒先にぽつぽつとランプを灯し、あるいは店じまいの準備に入っていた。
どこかから食い物のうまそうな匂いが流れてきて、ぐうう、と腹の虫が俺に催促する。そういえばこっちの世界に来てからなにも食ってないな。
飯と情報収集を兼ねて、俺は酒場に足を向けた。
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