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俺が放った一連の技は確かにゴブリンに入っており、今度はゴブリンを浮かせるという形で宙を舞わせることになる。そこへ今度こそと全力のかかと落としをゴブリンのみぞおちに叩き込んだ。
ゴブリンが地面に叩きつけられると同時に、あたりの大地が揺れ土埃の柱が立ち上がった。その勢いは大気まで振動させ、俺の肌すら震わせる。
立ち込めた土埃がやがて晴れていき、地面に直径二メートルほどの小さなクレーターが出来上がっているのを確認できた。
ゴブリンの大きさが一メートル未満であり、それを中心に広がるクレーターは俺の技の威力を物語っている。
「ざっとこんなもんか……確かに……チートの力が手に入っているらしい。こんな威力の蹴りが出せるとはな……」
まだまだ、可能性は無限大に広がりそうな今後に、少しばかりときめきを覚えながらも、腰を抜かしていた人たちの方に少し足を進めた。
「そこの皆さん、だいじょう……」
そう声をかけ始めたのだが、それより先に後ろから妙な気配を感じた。ザッと土を踏む音が聞こえてくる。当然、自分の足音の話ではない。
振り返ると、そこには倒したと思っていたゴブリンが、腹の辺りを抑えながらも立ち上がっている姿が確認できた。
「……驚いたな……まだ生きていたのか……。これまた随分と……タフだな……。それとも、俺の攻撃力が足りないのかな?」
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