第二話 隣人

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第二話 隣人

ある日学校から帰ってくると、マンションの前に引っ越しのトラックが止まっていた。 「ん、誰か引っ越すのかな?」 しかしトラックに積み込んでいる様子はなく、反対にトラックから出している。 ってことは、誰かが引っ越してきたということ。 このマンションは事務所所有だから、誰かが移籍してきたということか。 羽衣は気にすることなくマンションの中へ入っていった。 ……あれ? もしかして、私の隣に引っ越してきた? 自分の部屋がある階に着くと、自分の部屋の隣がバタバタしている。 羽衣は少し驚いたが、特に気にすることなく歩いた。 「あっ!!」 どこからか透明感のある声が聞こえた。 「隣に引っ越してきた、小関(こせき) 樹生(いっせい)です。堀 羽衣さんですよね?よろしくお願いします。」 羽衣はその隣人を見て、驚いた。 背、高いな……。顔ちっさい……。いい声だな……。超イケメンじゃん……。 そして最後に、どうして私の名前を知っているんだろうと思った。 「あ、堀 羽衣です。よろしくお願いします。」 「ちょっと2、3日うるさいかもしれませんが、許してくださいね。」 「あ、はい。えっと……どちらから移籍してきたんですか?」 「え、あぁ。移籍してきたわけではないんです。所属していた喜多川声優事務所がこちらの『Stella Gloria』に合併されて、声優部門が作られることになったんです。」 羽衣は、そんな話あったような……、と考えていた。
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