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「冗談、冗談だって。勉強になったよ、ほんとに。目の見えないお年寄りがいてな、俺の詩をほめてくれた。どんどん書きなさいって。たくさん書けば書くほど、俺のスタイルが決まってくるんだってさ」
「ふーん、良かったね。たくさん、書きなさいか。そうだよね、たくさん練習した方がいいよね。練習は嘘をつかないって、言うモンね」
「それはそうとさ、kazuko さんと交際うの?」
「な、なんだよ、やぶから棒に」
「あのひと、すっごい美人だもんね。それこそ、もういるんじゃないの? 彼氏」
「ぶあーか! 関係ねえよ、そんなこと。彼女とは、おんなじ部だってことだ」
「そお。なら、いいんだけどさあ」
「なんだよ、それ。どういう意味だよ」
何だか小バカにされたような気がして、ムッとした。
「あのひととは、絶対だめだよ。合わないよ、絶対」
「なんだよ、それって。なんで決め付けるんだ」
正直のところ、高嶺の花に感じてた。
当然のことながらカレシはいるだろうし、俺なんか相手にされないって思ってた。
部活動の時に話をするだけでいい、って思ってた。
でもなあ……
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