(四)

2/4
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/27ページ
[学校にいるの。すぐに来て!] 突然の電話。言うだけ言って、プツン。 どう解釈していいのか分からぬまま、放っても置けずにとにかく学校に急いだ。 普段の日曜日なら、知らぬ半兵衛を決め込んだかも? 部活動で校庭は人だかりだろうから。 窓から外見て、ビックリ! だ。横なぐりの激しい雨。そりゃそうだ、台風だモン。 暴風雨警報! って、テレビもラジオも、がなりたたてる。あいつ、ナニ考えてんだ。 そう言えば、ずいぶんと前だけど、台風の目ってやつに出くわしたことがある。 ポカンと丸く空いてた。真っ青な空で、めちゃめちゃ眩しく感じたなあ。 真っ暗な校舎が、激しく風雨にさらされてた。人気なんてまるで感じられない。 体育館の入り口かと思ったけど、いやしない。 キョロキョロしてたら、渡り廊下にいたよ。 よしよし、いい子だねえ。 あたま、なでなでしてあげるね。 (急に涙ぐみはじめた、emiko) (見る見るうちに、目の中に涙がいっぱいになった、emiko) 「良かったあ、来てくれて。 あたしのことなんか、誰も心配してくれないって思ってた、、 ありがと、ありがとお‥‥」 (俺の背で泣きじゃくる、emiko)
/27ページ

最初のコメントを投稿しよう!