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[学校にいるの。すぐに来て!]
突然の電話。言うだけ言って、プツン。
どう解釈していいのか分からぬまま、放っても置けずにとにかく学校に急いだ。
普段の日曜日なら、知らぬ半兵衛を決め込んだかも? 部活動で校庭は人だかりだろうから。
窓から外見て、ビックリ! だ。横なぐりの激しい雨。そりゃそうだ、台風だモン。
暴風雨警報! って、テレビもラジオも、がなりたたてる。あいつ、ナニ考えてんだ。
そう言えば、ずいぶんと前だけど、台風の目ってやつに出くわしたことがある。
ポカンと丸く空いてた。真っ青な空で、めちゃめちゃ眩しく感じたなあ。
真っ暗な校舎が、激しく風雨にさらされてた。人気なんてまるで感じられない。
体育館の入り口かと思ったけど、いやしない。
キョロキョロしてたら、渡り廊下にいたよ。
よしよし、いい子だねえ。
あたま、なでなでしてあげるね。
(急に涙ぐみはじめた、emiko)
(見る見るうちに、目の中に涙がいっぱいになった、emiko)
「良かったあ、来てくれて。
あたしのことなんか、誰も心配してくれないって思ってた、、
ありがと、ありがとお‥‥」
(俺の背で泣きじゃくる、emiko)
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