(五)

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神に祝福されることのない人間━━悪魔に可愛がられる人間 emikoが離れていったわけじゃない。 相変わらずに、突然の電話が入る。、 ただ、それまでの兄妹ではなく、姉弟に様変わりしたように感じる。 ~~~~~~~~~~~~~ 赤い手が 赤い棍棒で叩き割ったのは              鉄カブト その中から 緑のしみ出る四つ葉のクローバーが                   芽生えた その朝 枯れた四つ葉のクローバーに             なっていた                                 ~~~~~~~~~~~~~ あいつだけだよ、実際。 あいつだけだよ、こんなに親身になってくれる奴は。 「shizukoさんとも、交際(つきあ)ってたのね」 「shizuko? 誰だ、それ。ああ、思い出した。 予餞会(よせんかい)で一緒になった子か。俺の衣装を、必死こいて作ってくれたんだった」 「隠さないの!」 「隠してなんかないさ。交際ってなんか、ねえよ。 帰りに飯を喰っただけだ」 「ピーッ、ピ-ッ、ピーッ、の子たちとはどうなの?」 「誰だ、それえ?」 「隠さないで、って言ってるでしょ!」 「隠してなんか、ないって。ほんとに知らねえぞ」 「ふーん。じゃあの子たちが勝手に、そういうことか」 「へへへ。俺って、結構人気あるんだな」 「なに勘違いしてるの! そおじゃなくてえ、馬鹿にされてんのよ、君は」 急にかしこまった口調で、きみだってよ。いつもは○○くんなのに。
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