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神に祝福されることのない人間━━悪魔に可愛がられる人間
emikoが離れていったわけじゃない。
相変わらずに、突然の電話が入る。、
ただ、それまでの兄妹ではなく、姉弟に様変わりしたように感じる。
~~~~~~~~~~~~~
赤い手が 赤い棍棒で叩き割ったのは
鉄カブト
その中から 緑のしみ出る四つ葉のクローバーが
芽生えた
その朝 枯れた四つ葉のクローバーに
なっていた
~~~~~~~~~~~~~
あいつだけだよ、実際。
あいつだけだよ、こんなに親身になってくれる奴は。
「shizukoさんとも、交際ってたのね」
「shizuko? 誰だ、それ。ああ、思い出した。
予餞会で一緒になった子か。俺の衣装を、必死こいて作ってくれたんだった」
「隠さないの!」
「隠してなんかないさ。交際ってなんか、ねえよ。 帰りに飯を喰っただけだ」
「ピーッ、ピ-ッ、ピーッ、の子たちとはどうなの?」
「誰だ、それえ?」
「隠さないで、って言ってるでしょ!」
「隠してなんか、ないって。ほんとに知らねえぞ」
「ふーん。じゃあの子たちが勝手に、そういうことか」
「へへへ。俺って、結構人気あるんだな」
「なに勘違いしてるの! そおじゃなくてえ、馬鹿にされてんのよ、君は」
急にかしこまった口調で、きみだってよ。いつもは○○くんなのに。
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