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わたしは背が高くて、ひとみは小柄だ。十五センチくらいの差がある。ひとみは丸顔で、丸い目とぷっくりした唇をしていて、髪が長い。そういう特徴も、わたしと正反対。わたしは面長で、切れ長の目と薄い唇、髪はずっと短くしている。
ひとみは遠慮なくわたしに抱き着いた。
「会いたかった! 遊びに来てくれてありがとう!」
「大げさ。引っ越してから、まだ一ヶ月も経ってないんだよ」
「まだ一ヶ月って信じられない! 学年が上がってからいろいろ忙しかったし」
「だろうね」
「学力テスト、どうだった? こっちはね、今回は雅樹くんが一位だったよ。雅樹くんは、三教科では国語だけがネックだけど、今回のテストは科学の説明文がメインだったから得意分野だったって」
「それで、ひとみが二位」
「うん。蒼ちゃんがいたらどうなってたかなって、雅樹くんと話したよ」
「わたしは五教科あるときのほうが強いし」
先生方が「三羽烏」と呼んだ、わたしとひとみと雅樹。木場山のようないなかではめったに出ないような成績優秀な子どもが、同じ学年に三人もいる。そういう意味だ。
成績優秀といっても、三人ともタイプが違う。わたしは英語と社会が強い文系。ひとみは三教科がバランスよく、全部できる。雅樹は「数学と理科は高校レベル」と言われるほどの理系。
でも、わたしはたぶん、本当はそんなに優秀なんかじゃない。楽しみながら競える相手がいなくなって最初の学力テストは、全然ダメだった。
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