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保健室には、教室に行けない生徒が二十人近くいた。保健室からいちばん近い空き教室は、保健室登校の生徒の自習室だった。智絵はそこで一人で勉強して、提出用の課題を解いた。テストも自習室で受けた。
わたしは、空っぽになったみたいだった。学校ではしゃべらなかったと思う。出席日数は、欠席も多かったけれど、担任から警告されない程度だったはずだ。
ギターは部屋の隅でホコリをかぶっていった。手の傷が治っても、弾く気が起きないまま、いつの間にか寒い季節になって、年が明けて三学期になって、テストだらけの毎日の合間に誕生日が来て、三学期が終わった。
木場山のころの友達とは、もう完全に連絡が途絶えてしまった。わたしが途絶えさせたんだ。年賀状も出さなかった。
一九九九年。ノストラダムスが予言したとおりに地球が滅ぶなら、中三の七月だ。
滅んでしまえ、と願った。そんな中二の終わりの春休みだった。
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