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学校の帰り道。エイはいつも通り買い食いをしている。 「ねー、エイ。明日の試験が終わったらさ、話があるんだけど」 「えー、何々?今じゃダメな話?」 「そうやって茶化すなって」 ホットドッグを食べながらにかりと歯を見せて笑うエイ 「もしかして好きとか?告白だったりして!」 テンション高く舞い上がって言うエイに、頬を赤くしてビィは首を横に振った。 「なっ、そ、それは後で話すってば!」 「やだもうビィ君ってば照れちゃってかわいぃ!」 茶化し楽しむエイの頬にはケチャップがついていた。 「ほら、エイ。頬にケチャップがついてるよ」 ビィは鞄からティッシュを出してエイの頬のケチャップを拭った。 「あっホントだ。いつの間についたんだろう?」 あっけらかんとするエイを見てビィは微笑んだ。 「本当、エイは仕方ないな」 エイはその表情に少しドキッとして、赤くなった頬を隠すようにくるりと体を返し背を向ける。 「絶対だよ」 ビィは何かとエイの背中を眺めた。 エイは残りのホットドッグを口に押し込み飲み込んで振り返る。 「受験が終わったら好きって言ってね」 ビィは顔を真っ赤にして驚いた。 その顔を見てエイはまた笑い飛ばした。 「エイってばすぐにからかうんだから」 「あははは!でもね、ビィ君。私もビィ君の事……」 エイはあえてそこで言葉を止めた。唇に右手の人差し指をたてて添える。 秘密というポーズでエイはビィを見つめた。 「明日の試験頑張ろうね!」 エイから想像とは違う言葉が出てきてビィはポカンとする。しかしすぐに笑顔に戻った。 「将来がかかってるからね」 「目指せホットドッグ屋さん!」 「それは食べたいものでしょ」 二人で歩きながら笑いあった。 何が起きても明日は試験。 エイとビィは昔からするように手を繋いで家へと向かった。 幼馴染み二人の恋の物語
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