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昔から、そうなんじゃないかと思っていた俺は、 やっぱりΩだったと分かった時、 『ふぅん』って、何とも言い難いリアクションしかとれなかった。 ずっとOだと思っていた血液型が、実はBだったあの時より、ショックもなく。 だってBだよ?おおらかだって割と評判のいいOじゃなく、……Bだよ?? 血は変えられないものだと、二度痛感した。 Ωの事は……まぁいいよ。 自分でも、ちょっと…いいかなって、思ってたし。 うちの母親もΩの男だし。 あの人の何事にも動じない、あっけらかんとした生き方に…ちょっと…憧れるし。 子供を、産んでみたい……とも…思う…し。 かっこいい誰かに愛されたい。 ……ってのが、 一番、俺の中にはあった。 いつか、王子様が。 なんて……思ってんだろうなぁ、きっと。 俺は、どこか乙女チックだった。 父親は、俺のタイプじゃなく。ごっついゴリラみたいな鳶の頭で……何であんな人、母さんは選んだんだかって、小さい頃は思ってたけど。今なら分かるような気がする。 愛だよ、愛。 運命だよ、運命。 運命に出会ってしまったら、抗えないんだよ人はきっと。 運命…… 憧れる。 最高級ホテルの、最上階の部屋で、 全面ガラス張りの夜景をバックに、     
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