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夜道をポツポツと歩いていると、アーケードの円形の屋根と灯りが見えてきた。
けれど明りは弱々しくて、入り口付近の店はシャッターが閉まっているのが見えた。
私は落胆した気持ちだったが、そのままアーケードの中に入っていった。
アーケードはずっと奥まで続き、両脇の店はほとんどシャッターが閉まっていた。
他に誰も歩いておらず、コツコツという私の足音が響く。
営業時間が終えて閉まった店もあれば、シャッターの上からテナント募集の貼り紙が貼られた店もあった。
閉め忘れたのか、シャッターがわずかに開いている店もあったり、商店街の途中にお地蔵もあったりと、変わった商店街だというのが私の印象だった。
やっぱり閉店してしまったのだろうか。
今日こそはゆっくりと眠りたかった。
そう思った時、一軒の店のシャッターがまだ開いていて、店の明かりが外に漏れているのが見えた。
地図を見れば、ちょうど薬局屋がある場所で、私は足早にその明かりに向かって歩いた。
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