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真也の葬儀の日。
葬儀場には遺族、親族を始め、小学から大学の友達まで沢山の真也に関わっていた人達が集まった。
私は彼の恋人であっただけで、縁があるわけではない。
真也から少し遠い位置でお通夜に出席した。
真也とは高校からの付き合いだった。
高校の時も、彼の優しい性格と人をまとめる能力もあり、クラスでは人気者だったし、学校全体でも顔の広い人だった。
高校の同級生はもちろん、同じ数くらい小中の友人も参列しては皆涙を流していた。
本当に真也は、いろんな人から愛されていたんだ。
そんな中、一番真也からの愛をもらっていたのが私だと思うと真也はなんで私を選んでくれたのかと疑問に思う半分、幸せな気持ちを抱いた。
お通夜というものは初めてだった。
重苦しい空気というか神聖な空気は少し感じられたが、不安な気持ちなど全くなかった。
だけど、真也が亡くなった。
ということはこれをもって、実感できた気がする。
「緒花。」
また、ふと夢を思い出した。
このまま葬儀が終わって家に帰れば、そうやって出迎えてくれたりして。
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