幸せの頂点

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いつもより少し調子よく、お互いにじゃれ合った。 周りからみたら恋人同士に見えなくて兄妹に見えてるかもしれない、それぐらいのおふざけモードだった。 時計は20時過ぎを示していた。 深夜という時間ではないが、閑静な住宅街は人がいなく二人だけの世界にも思える。 ぽつりぽつりとある街灯を一つ一つ越えながら恋人と家を目指していた。 「なぁ」 ふと、恋人が立ち止まり私に声をかけた。 そのトーンはどこか真面目で、いつもより緊張しているような気がした。 「どしたの?」 彼はその場で私から視線を逸らし口を噤んでしまった。少しほおを赤らめているようで、様子がおかしいようにも受け取れる表情をしている。 「もしかして、体調悪いとか?見送り大丈夫だよ?、」 「そうじゃないんだ、緒花……… 来週のどこか、空いてる?」 「来週?確か木曜以外バイトだったから、木曜なら大丈夫」 「そっか、じゃあ木曜俺のために空けておいて」 そうクシャっと笑いながらいうとさっきの様子はすっかりなくなったかののように歩き始めた。 恋人からデートの誘いを受けたのは何度もある。 だが、その前の様子はなんだったのだろう? あまり引っかからなかったが私は快く承諾した。 年末年始はバイトに明け暮れていたし、あんまり顔も合わせていなかったから木曜は楽しみだった。 本当に、楽しみだったんだって。
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