幸せの頂点

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スマホを覗いた。 ホームを開くと、彼に送信しようとしていた途中のチャット画面でスマホの時は止まっていた。 ( 今日はあひがも 半分寝ながら打ったのか、誤字が酷い。 その前のチャットは昨日の待ち合わせ前に送りあった連絡だけ。 昨日別れた後に、彼から私にチャットを送ってきた形跡はなかった。 送る前に、事故に遭ったのかな。 不安になりたくなくて、現実から逃げるかのようにスマホの画面を落とし、外の足早に視界から抜けていく街灯を見ていた。 「緒花ちゃん!麻美さん!」 病院に着くと、彼の母親である永子(えいこ)さんと父親の渉さんが迎えてくれた。 「永子さん……!真也くんは…」 「真也は……ICUに入ってるわ…麻美さん…私…」 「無理しなくていいのよ…今は真也くんの無事を祈りましょう…」 やっぱり彼は重体なのか。 ICUに入ってると聞いた時私も頭を打ち付けられたかのような、ビビッとした何かがよぎった。 それでも、私はまだ冷静でいられた。 母親同士は涙を流し抱き合いながら、お互いの弱い心を補い合い、彼のこと無事を願っていた。 「緒花ちゃん、平気かい?」 彼の父親の声も、いつものおちゃらけた感じとは全くなく不安な様子がうかがえた。少し顔色も悪いように見える。 「私は…まだ実感がなくて…真也が大変な目に遭ってるって…思えなくて……すみません…」 ずっとそばにいた彼が絶命するかもしれない。 不安な気持ちは私の中に少しずつ芽生えてきている。 それでも、信じたくない、受け入れない。 不安な気持ちを押しつぶすかのように、冷静な気持ちを保った。
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