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「お兄のばか」
「え、ばかって……ゆず反抗期か?」
本気でショックそうな顔で振り返るお兄に少しだけ罪悪感が芽生えた。でも構ってくれないお兄が悪いんだもん。
私はふいっとそっぽをむいてみせた。
「ゆずご機嫌ななめだな、何かあったのか?」
「……お兄が構ってくれない」
我ながらブラコンな発言だとは思うが、実際寂しいんだから仕方がない。
ちらりとお兄を見れば一瞬目を丸くして直ぐに私の大好きな甘い笑みを浮かべた。
「いつも家に居れなくてごめんな」
「うん」
「今日はゆずの話たくさん聞かせてくれるか?」
「……うん!」
ポンポンとお兄に促され、私はお兄の横にしゃがむ。そうすればまた優しく目を細め、お兄は私の頭をくしゃりと撫でてくれた。
お兄に話したいことはたくさんある。
電話やメールじゃなく、こうやって目の前でお兄とお話できるのだ。今日は何から話そうかな。
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私の好きなこと
四年一組 寺崎ゆず
私は勉強が好きです。問題がとけた時にとてもうれしいからです。いつも兄が言います。学んだことはうらぎらない、と。だから私は勉強が好きです。
私は料理が好きです。おいしく作れた時にみんなのよろこぶ顔が見れるからです。母の作るご飯はみんなを笑顔に変えます。だから私は料理が好きです。
私は話すことが好きです。色々な人とお話をすると知らないことがたくさん知れます。家族と話すともっともっときょりが近くなった気がします。だから私は話すことが好きです。
私は家族が大好きです。あたたかい家族が好きです。たくさんの好きの中には必ず家族がいます。だから私が一番好きなのは母と兄なんだと思います。
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