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ある昼下がり、生徒会室にはいつものメンバーが集まっていた。
購買で購入したパンを片手に仕事を片付けた俺たちは食後の休憩に國仲が入れてくれた緑茶を啜る。
いつもと変わらぬこの光景だが、どうも一年生たちがモジモジと落ち着きがない。仕事中はあえて触れなかったが未だ落ち着かぬ一年生に痺れをきらせ問いただした。
「おい、鬱陶しいぞ。……どうかしたのか?」
俺の問いかけに分かりやすくびくつく並木。磐田も持っていたせんべいを不自然な程に口に頬張った。
唯一落ち着きのある國仲に視線を送ればため息とともに口を開いた。
「男子校でこのような行事もどうかと思ったのですが、普段からお世話になっている先輩方にお礼がしたいと並木が言いはじめまして」
話ながら國仲は磐田に目でなにかを促す。それに気付いた磐田は懸命に口のせんべいを緑茶で流し込みカバンから両手に収まる程の箱を取り出した。
「き、きのう放課後に調理室が解放されてたので三人で作ってみたんですが……」
「正直、形とかヤバいすけど味見はしたんで味は美味いっす!!」
「良ければお茶請けに皆さんで召し上がってください」
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