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「で、お前はそこで何を待ってんだ?」
まだまだ肌寒い2月中旬の放課後、コートを着込み帰り支度を整えている俺の前に安江が立ちはだかる。
本当は構いたくないのだが、扉の前に立たれては邪魔なので仕方なく聞いてみればブスくれた声をあげた。
「よーちゃん、今日バレンタインだよお」
「そうだな朝から沢山もらってるから知ってる」
「ぼくもたくさん貰ったよー!でもでもよーちゃんからはまだ貰ってないもん」
「まだチョコ欲しいのか?」
「よーちゃんのだから欲しいのお」
安江にもコートとマフラーを渡しながら話を聞く。安江の駄々はいつもの事なだけに「はいはい」と聞き流しながらも俺のだからという単語に若干頬が緩む。
「分かったから帰んぞ」
無理やり扉の前からどけ先に外に出れば後ろから焦ったようにコートに腕を通しながら安江が走ってきた。
学校から寮までの間には敷地内だというのにコンビニが存在する。普通のコンビニと違い少し高級思考のものが多く置かれてはいるが品揃えなどは他とあまり変わらない。
たまに放課後に寄り道をしてお菓子などを買ってかえる。
「コンビニ寄るわ」
「え、チョコ買ってくれるの?」
「ちがうから」
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