第1章

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 瞳がキラキラしていて、服装は、というと、今、流行中のオフショルダーと呼ばれるのの、薄いピンク系むらさきのを着ていた。  細身のストラップはリボン結びになっている。下は膝ちょい上丈のリボンベルト付きロングデニムスカートを履いていた。  靴は、これまた黄色の、無地の下だけ編み込みのウエッジサンダルだった。   メイクもバッチリ。猫目っぽく引かれたアイラインが印象的で、どことなく強気な印象を強くさせる。   オフショルの肩の部分から見える肌は白くて透明で、とてもキメ細やかに見えた。    どうしたらあんなに白くなれるのだろう、あたしは思わずうらやまし気に見ていた。   華やかな女の子だな、と思った。 あたしの小学校にはいないタイプだし、おそらく歩原(高校)にもあれほど美人で可憐ってコはなかなかいないと思う。  「颯野ー!!!」 さっきの女の子が戻って来る。  「何、急に。」  「忘れ物したー!!!」 そう言って女の子はそばに置いてあったスクールバッグ(スクバ)を掲げ持つ。  「あの、」 あたしは颯野さんに声をかけた、つもりだった。  そうしたら、何を勘違いしたのか、いとも簡単に女の子からの返事が返ってきた。  「あ、あたし?あたしは春風早音。颯野の同級生。んで、クラスメイト。」  「今日は颯野の誕生日なの。それで、ちょっとね、、、」  「あ、おめでとうございます!」  「ありがとうございます、瀬川さん!」  「あ、それで、あなたは?」 春風さんが先を促す。  「へ、へぇ、、、あ、あたしは、この先、2丁目にある竹原小学校の6年、です。瀬川瀬衣香です。えっとー、、、今日は、本を返品して、もう1度、借りに来ました。」    「あっ、そうなのー??? よろしくね、セイカちゃん!」  「セイカってどんな字を書くの?」  「川瀬の瀬に、衣装の衣に、香りの香です。」  「へぇ~。あたしは、春に、風に、早いの早に、音で音と書いて、春風早音。よろしくね、瀬川瀬衣香ちゃん!!」  あたしはこの会話になんとなくもやもやした。  もしかしたらファッションの趣味の違い? あたしの今日の格好は、丸襟に黒の細リボンがついた白のブラウスに、黒無地のジャンスカ(ジャンパー・スカート)という格好だ。  ジャンスカが膝が隠れる長め丈なので、下は何も履いていない。履いているのは、黒の無地ミュールサンダルぐらいだ。
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