第1章

3/83
2人が本棚に入れています
本棚に追加
/83ページ
 ~*2.あたし達の春*~夢とともに*~2人の価値的距離*~    Last.story.~*ある日、君と*~そよ風を超越した想い*~Last.message*~  ~*1.あたし達の春*~夢とともに*~  ~*ある日、君と*~そよ風を超越した想い*~Last.message*~  目次(終) ~*ある日、君の隣まで*~*幸せへのメモリーの真ん前で*~ 目の前の視界に捉えたのは、パイプとパイプの重みでもうすぐこわれそうになるんじゃないかという勢いでギシギシと鳴る立看板。見上げると、古書店颯野屋と書かれている。家から15分ほどで着く、なんてことない古書店。 確か、今年でもう創業140周年だなんて司書の方に聞いたなぁー、と一人、感慨深いことを考えた。 まぁ、あたしも普通の小学6年であって、そう簡単にあれこれ勉強に向く方じゃない。そう、あたしの名前は瀬川瀬衣香。千葉のど田舎っ子。地元の駅から千葉市だったり、JKリゾートで有名な舞浜駅に着くまでの工程でさえ、あたしは知らなかった。あたしの住む街は、原ヶ丘という場所にある。 今夜は雨が降っていた。ざーざー降りだった。雨じゃ、流星は見られないなー、と残念に思った。 一時期、「流星の彼方」というドラマが流行していて、あたしもそれをよく見ていた。その影響で、あたしも流れ星が好きになったんだ。 本当に残念だなー、と思っていると、夜明けはすぐに過ぎてしまった。しかも、家の真外から見える流星なんてたかが知れている、と思う。 あたしは先程まで、家のすぐ真外にいた。ビニールシートを広げていても、いなくても、あたしは簡単に寝転がることが出来るんだ。だから、ビニールシートなんて敷かない。 1時間に25個は流れる、という友達の意見は多少なりとも気になってはいたのだが、そろそろかという頃、空に雲がかかり、それが空の彼方を覆いこんだ。そのまま雨が降り出す。そんな模様で雨が降り出して来たのだった。もう家に入ろう。そう思って家のドアに手をかけたまま、振り向きの姿勢になったときだった。
/83ページ

最初のコメントを投稿しよう!