第1章

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今、声をかけてくれたのは同じクラスで親友の水菜。  そっか。あたし、涙、流してんだ。泣いてんだ。給食Timeから。自分でもちゃんと把握できてなかったよ。めちゃハズッ。それでもなんとか答える。 「ありがとーですー。」 今日の給食のmenuはなんと、なんと、なんとっっっ!!!唐揚げだった。男子なんかは余った唐揚げをじゃんけんなんかで決めておかわりするコもいる。 女子にもまぁまぁ腰付きが太めのコなんかはおかわりしている、なんてこともある、フルーツポンチとセットの定番menuだった。      それにしても人気あるじゃない、今日のmenu。 あたしは水菜のお箸を借りて食事を摂った。 「ごめんね、水菜ー。ありがと、本っ当に助かった、ほんとありがとー。」  「いいって。この埋め合わせは必ず、っていうか、って言いたいけど、お礼にっていうかまたプリ撮り行こ?」 「うん、プリ撮る、ごめんね、本当、ごめんね。」 「いいよ、絶対だからね!!」 ☆★☆ 部活、下校の時間になった。この時間帯になると部活動がある部活組と、下校するだけの下校組に分かれる。 あたしと水菜、由佳は立派な部活動組だ。 あたしと水菜、由佳は部が違うから、部活の時間は一緒じゃ、ない。 あたしはミニバスケット部、水菜は吹奏楽部、由佳はインターネット部だ。 3人で分かれている方向性として、女のコとしてはやっぱり淋しい。 「バイバイ、水菜ー、由佳ー。あと水菜、月曜日、1時間目から理科のテストあるからノート、あとで貸してー!!部活後でいいからっ!!」  「ノート、教室に忘れたのー?明日、月曜日じゃないもんね!!もう~、仕方ないなー。分かったー、じゃあ一旦、じゃあねー、瀬衣香!!」    「バイバーイ!!」 由佳がそう言って足早に部室の方へと歩き出して行った。  よし!! あたしも心を決めながら部活に向かった。 「走れ、走れ、走り込めー!!! お、そうだそうだ!!  声、出せー。もっと声出せよ、出して行けよー!! こんな怒鳴り方をしているのはミニバス顧問の田波先生だ。25歳という、割と若目な先生なわけだ。 怒鳴るときは怒鳴るし、あまりにも練習に手抜きがあると、声を出せだの周りを見ろだのと怒鳴り的成果を発揮する。
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