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それでいいのかな? あたしは不安になる。
もしカネゴンに愛する人ができて、その人と、つまりラブラブになったら、ママとの約束は破れて、その時点でカネゴンは死んじゃうのかな?
それとも、生きたいから、無理にカノジョをつくらないで、ワタシの面倒をみているのかな?
カネゴンにとってワタシって何だろう?
命の恩人の子ども?
この頃、なにもかもわからなくなる。
「いやー、今日はさ、参ったよ。原田の奴さあ、またヘマやって、おれ部品取りに、T市の本店までいったんだよ。原田、自分で行きゃあいいのに、あっちは方違いだとか、物忌みだとか大殺界だとか、わけわかんないことばっか言ってさ」
「ふうん。じゃ今日は本店にいったんだ」
「行きたくもないけどね」
賢人は相変わらずお人よしだ。誰にでも優しい。それはワタシには不満だ。アタシにだけ優しければいいのに!
ワタシは窓の外を見ながら、何気なくいった。
「でも、本店に真理恵さん居るんだから、嬉しいでしょ」
真理恵ちゃんていうのは、経理をしている女性職員だ。バツイチで、写真みせてもらったけど色っぽい人。たぶんDカップ。
「真理恵ちゃん、そうなんだよ。じつはさ、カップラーメン真理恵ちゃんにもらったんだね」
「あっそ、よかったね」
とかいいつつワタシの心の中は煮えくりかえっている。
いや訂正。雪女だから絶対零度まで冷え切っている。
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