12年後

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「あ、やっぱ、コンビニよるから、止まって」むしゃくしゃしてぎりぎりのところで言ったら  賢人は、わかっていたようにすっとハンドルを切ってコンビニに入れた。 「カネゴン、何か欲しいものある?」 「うまい棒、明太子味とポタージュ味3本づつ計6本」 「ラジャー」  あたしはコンビニで自己嫌悪だ。アイスクリームを2つ買った。  アイスで手を冷やしながら反省する。  妬いている。真理恵さんに。  賢人はアタシをいつまでも子ども扱いだ。  わがままだと思っている。外見は子どもだし。  身長145センチ、体重40キロ。  色気皆無。寸胴。そしてただ白い。白いだけ。  目は、目だけはきれいだと自分ではおもっているけど、  目が大きいので、遠くから見ると、穴が開いているように見えるらしい。  不気味。雪女みたい、陰口をたたかれた。  賢人、37歳。ワタシ、15歳。年の差22  この年の差だから仕方ないのかな?  それにわたしは人間じゃない。  車に乗ると賢人は窓の外を見ていた。足のきれいなお姉さんか2人連れか! 「カネゴン! 行こう!」 あたしはアイスを彼のほっぺに押し当てた。 「冷めて!」  といいながら、こっちを見て笑う。  口元にちょっと皺がよるようになったけど、一番の顔。  ああ、どうして賢人がこんなに好きなんだろう。
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