近所のお兄ちゃん

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何日も何日も待ってたんだけど、 お兄ちゃんが来ることはなかった。 僕に飽きちゃったのかなぁ。 自分で言ってて悲しくなってきた。 あの人のとこに行っちゃったのかなぁ。 もう… 公園には行かなくていいや。 お兄ちゃんが来ないんだもん。 4年生になったら、ママが来るまで学校で待つようになった。 学校には本がたくさんあるし、 先生も残ってるから 寂しくない。 そのはずなんだけど お兄ちゃんがいたら もっと楽しいのになぁ って、 ちょっとだけ……… 4年生からの3年間で僕は図書室の本をほとんど読んでしまった。 辞典は読まなかったけど。 あれ、分厚くて、重いし。 そして、中学生からは 受験して寮付きの中学校に通うことになった。 そこは、エスカレーター式に高校まで行けるんだって。 勉強しなくていいじゃん、 と思って。
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