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「いいところで目が覚めてしまった。」
初江はもう少し夢の続きを見たかったと思った。
その日は必死に夢の続きの展開を思い出していた。
看護師が朝食を運んできた。いつもなら自分の人生を悲観していた初江が楽しそうに自分の夫と出会った時の様子を語っていた。
看護師もチョコレートの効能を確信し、カルテに記録した。
「初江さん今日は、みらいのチョコレートを夕食の際に食べてくださいね。」
看護師はそう言うと、初江の思い出話をいつもよりじっくり聞いてから病室から出ていった。
今日は、検査の時間でもないのに、主治医がやってきたり、看護師の出入りが多かった。
その日の夕食に、さいごのチョコレート「みらい」を食べて、眠りに落ちた。
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