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初江は、今まで一度もやったことのないバレエをしている。身体が若返っていた。いや、こどもに帰ったようだった。
今日は、どうやら発表会のようである。周りには見慣れない顔立ちの人たちが初江を注目していた。必死になって、かかっている曲に合わせて踊っていた。
「腕や脚がしなかやに動くわ。」
ずっと寝たきりの生活をしてきたためか、夢の中であっても自由に身体を動かせることに喜びを感じていた。
つま先立ちでくるくると回転したり、ぴょんっとジャンプしては着地をし、童心に帰った心地で目一杯その場を楽しんだ。
無事に一通りの演技を終えた。
長い間踊り続けたせいか、だんだんと眠くなってきた。夢の中でさらに夢の中へと引きづりこまれていくような気分だった。
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