(五)

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何ということはない この俺が  人間失格だということだ もう考えまい、惨めさが増すだけだ。 敗北者は嫌だけれども、 これ以上の惨めさはたくさんだ。 ツルゲーネフがトルストイに伝えたことば 「汝は汝の道にかへれ」 「為せば成る」 「為さねば成らぬ」 面白い言葉に気が付いた。 元来の日本人は、考えるに 「為さねば成らぬ」だったような気がする。 が、昨今の日本人は 「為せば成る」じゃないだろうか。 いつから? そして、どうして? 「戦後」のような、気がする。 アメリカの占領から、 始まっているような気がする。 戦前までの日本人は「お上」に対し、 「服従」というより、「隷従」に近いものを 持っていたように感じる。 戦後の日本では、否応なく アメリカの教育方法=民主主義&個人主義が 取り入れられた。 そしてそのアメリカの意図は 平成という時代において、花開いた。 今ごろになって、政治家が「愛国心」を声高に叫んでいるけれども。
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