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赤の他人
A「何食べてんの?おいしそーなんだけど!」
B「うっせーな。朝食食べそびれたんだよ!てか、お前は食べたのか?」
A「当たり前でしょ!あー、でもお腹空いたわ―。ちょっともらうね!」
B「あっ、おい!待てよ!」
A「べーっだ!返さないからね!ちょっと!何コレ。メッチャおいしいじゃん」
B「ウソ、食べたの?」
A「え?だめだった?」
B「決まってんだろ!……いいや。お前、全部食べろよ」
A「えーっ!ムリだよ、こんなに。返すよ、はい」
B「ムリ。おれ、こう見えて潔癖症だから。お前食べろよ!」
A「あ、間接キスってこと?ごめん、気づかなかった!でも、兄妹だからよくない?」
B「ムリムリムリ!兄妹でもムリだから!……てかお前だれ?」
A「えっ、ひどくない?あたし、お兄ちゃんの妹だよ!」
B「はぁ?おれ、一人っ子だから。妹いないから」
A「ウソっ!!お兄ちゃん、潔癖症じゃなくて健忘症なっちゃったんじゃない?」
B「いやいやいや。お前が精神異常になっただけだろ」
A「お兄ちゃん、ひどい!もういいよ!!」
Aが走り去っていくのを、Bが呼び止めた。
B「おい!最後に一つ教えてくれ!お前はだれなんだ!?」
A「あたし?えっとねー、わけあって身分は明かせないんだけど。お兄ちゃんとは赤の他人だよ」
Aは、兄妹だと偽って人を混乱させる、愉快犯だった。
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