重ならない手、重なる気持ち。

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いつもの通学路。 俺の少し前を、あいつが歩く。 ポニーテールが、ふりふりと揺れる。 「それでね、この前ね…」 喋りながら、手には、大きな惣菜パン。 相変わらず、よく食うなーと思う。 「おおい、買い食いは校則で禁止だぞ。この不良娘ー」 「あ、あのクレープ屋さんもおいしいよね!今度行こうよ!」 明るく笑って、そう言った。 実はこの三日間、元気だけが取り柄のこいつは、ずっと泣いていた。 だから少し心配したけれど… なんだ、意外と大丈夫そうだな。 「ダイエットしてんじゃなかったのかー?」 「えっ… ダイエットしてなかったっけって…?」
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