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ふと咥えていたタバコが地面に落ちた。
すると、俺はまた同じ踏切の真ん中で立ち尽くし、警報機の赤いランプを見つめていた。
すでに両方の遮断機が閉まり、遠くにこちらに向かってくる列車が見えた。
俺は慌てて踏切の外に出ようとした。
だが、遮断機は重くて持ち上げられず、仕方なく下から這い出たのだった。
それからパチンコ屋に戻ってみるも、すでに俺が座っていた場所には別の男が打っていた。
男の横には俺が出した玉箱が積み上げられていたが、それを運ぼうと手を伸ばすと、
「俺の玉箱に触るな」
男は怒り、俺のことを睨んだ。
ふざけんな。俺の玉箱だろ!
と喉まで出かかったが、何だか疲れてしまいどうでもよくなった。
俺は何も言わずに店を出た。
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