4人が本棚に入れています
本棚に追加
/11ページ
それからも、何度か同じことが続いた。
状況はいつも同じ。
玉を打っていると、知らぬ間に俺は警報機が鳴り響く踏切の中で立ち尽くしている。
パチンコ屋を出たという意識も、踏切まで歩いた記憶もまるでないというのに。
この前は本当にヤバかった。
電車の警笛音が聞こえるまで、気が付かなかった。
そのままだったら、俺は電車に轢かれて一貫の終わりだった。
俺の中に自殺願望があるのか?
自分に問いかけた。
そういえば、その踏切では事故が多くて、人もよく飛び込むという。
自殺の名所だと言われている。
直線が長い線路だから、通り過ぎる電車のスピードはかなり出ている。
少し前にも、雨の夜にスーツを着た若い女性が死んだと聞いた。
現場にいた奴が、線路に残された千切れた両足を見たと言っていた。
そんなことがあり、俺はパチンコはやめることにした。
最初のコメントを投稿しよう!