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そんな曰く付きのパチンコ屋でも、俺は毎週のように打ちに行っていた。
会社のストレスを発散するために椅子に座り、ハンドルを回せばパチンコ玉が左から右に打ち出していく。
一玉一玉が、俺が毎日汗水垂らして稼いだ金。
ほとんどのパチンコ玉は、下の穴に吸い込まれていってさよなら。
台の真ん中にあるスタートチェッカーに玉が入れば、液晶のルーレットが回り出す。
ルーレットの数字がすべて揃えば、大当たりだ。
あとはお宝への口が開き、そこに向かってパチンコ玉を流し込むだけ。
けれど、なかなかルーレットの数字は揃わない。
規則正しく打ち出されるパチンコ玉が、当たりを見ることなく減っていく。
次第に苛立ちが募り、貧乏揺すりが始まる。
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