パチンコ屋

5/11
4人が本棚に入れています
本棚に追加
/11ページ
そんな曰く付きのパチンコ屋でも、俺は毎週のように打ちに行っていた。 会社のストレスを発散するために椅子に座り、ハンドルを回せばパチンコ玉が左から右に打ち出していく。 一玉一玉が、俺が毎日汗水垂らして稼いだ金。 ほとんどのパチンコ玉は、下の穴に吸い込まれていってさよなら。 台の真ん中にあるスタートチェッカーに玉が入れば、液晶のルーレットが回り出す。 ルーレットの数字がすべて揃えば、大当たりだ。 あとはお宝への口が開き、そこに向かってパチンコ玉を流し込むだけ。 けれど、なかなかルーレットの数字は揃わない。 規則正しく打ち出されるパチンコ玉が、当たりを見ることなく減っていく。 次第に苛立ちが募り、貧乏揺すりが始まる。
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!