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だが、ある時から異変が起こった。
その日は会社が休みで、昼食を終えた後に暇だからとパチンコ屋に入った。
俺は入ってすぐの通路に進み、空いている台の前に座った。
紙幣投入口に札を入れると、ジャラジャラとパチンコ玉が台の上皿に溜まって行く。
ハンドルを回せば、一定の間隔で玉が打ち出されていく。
パチンコ屋の中は、様々な音が大音量で聞こえてくる。
流行りの音楽と、他の客がパチンコ玉を打ち出す音、フィーバー中の音。
スタートチェッカーにパチンコ玉が入り、スロットが回りながら、赤いランプがチカチカと点滅する。
最初は玉の軌道を目で追ったり、ルーレットで外れた時には悔しがったり、ハンドルの強弱を変えたりしていたが、次第にそれに飽きていくと頭と心は空っぽになっていく。
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